ディクセルは国内最高峰レースのSUPER
GTを筆頭に、スーパー耐久やシビックワンメイクレースなどの参戦チームにテクニカルサポートを行っております。
また、国内だけにとどまらず、VW社の世界戦略の一環であるVWシロッコカップチャイナシリーズでも公式サプライヤーとしてブレーキパッド、ローターを供給。
これらのレースを通して培われた技術、裏付けられたデータを完全にフィードバックし、製品化したのがSpecom(スペコン)シリーズである。
スペコンという響きは、特定の年代にはレギュラーと違う特別(スペシャル)なコンパウンドを想像させるであろう。そして、当時のスペコンはレースで完全勝利をもたらすか、あるいはリタイアに追い込むか、どちらになるか使ってみないとわからない不確実なものであった。
しかし、時を経て、再び現れたディクセルのSpecom(スペコン)シリーズは、確実にレースで好成績を収めるものである。
新世代のSpecom(スペコン)シリーズの幕開け・・・・この特筆すべき性能を体感していただきたい。
SUPER
GTではSpecom-αをフェラーリに装着し、レースに参戦しているプロレーシングドライバーである田中哲也氏にSpecom-αとSpecom-βについてインタービューを行った。
このインタービューは弊社テストカー/デモカーであるGDBインプレッサF型を用いて行ったSpecom-αの開発テストと、同じくR35
GT-Rを用いて行ったSpecom-βの開発テストをもとに進められたものである。その為、製品に対するコメントが、その車種に限定されるケースがあることを予めご了承下さい。
■Specom-βについて
- R35 GT-Rのノーマルのブレーキシステムについて教えてください。
- 私もR35
GT-Rの車輛開発に携わってきたけど、「熱害」が非常に大きい車。車重が重いので、サーキットでハードに走ると水温、油温はもちろんのこと、タイヤ、ブレーキに
対してもものすごく厳しいんだ。少ない周回数ではタイムは出るけど、連続周回をすると後半が辛くなってくる。しかし、サーキットでの30分間の走行枠を走りきるほどだから、ノーマルでも非常に完成度は高いものだよ。
- 「Specom-β」開発にあたってのコンセプトと苦労を聞かせてください。
- さっき話した通り、とにかく「熱害」には気を遣ったよ。開発当初はこの熱害をなかなかクリアできず、開発チームも苦労していたけど、最終的に出来上がったこの「Specom-β」なら連続周回でも全く不安はなかったよ。そればかりか、ブレーキよりも水温や油温の方が先に音をあげてしまう位まで進化したんだ。あとは「摩耗」。幾ら性能が良くても、すぐに摩耗するようでは問題だからね。最終的には、パッドのライフはノーマルの約2倍まで高めることができたんだ。(R35
GT-Rのサーキットテストでの結果です。)高い効きを持ちながら、耐摩耗性に優れるという非常に困難な課題をディクセルの開発チームは実現してくれた。
- 「Specom-β」のフィーリングはどのようなものですか?
- 安定感に優れ、効きも高い。しかも非常に耐摩耗性に優れているのも大きな特徴だね。
- どのような競技や条件に合うとお考えでしょうか?
- R35
GT-Rに限定して述べるならば、サーキットユースでもストリートユースでも自信を持って勧めることができる。サーキットでの連続周回でも全く問題はないし、軽い踏力
でも十分効くからストリートユースでも扱いにくさはないからね。これをレースで使うことを考えると、効きも安定しているし、耐摩耗性も高いから耐久レースだろうね。タイヤで例えるならば、ロングラン向けの「ハードコンパウンドタイヤ」のようなイメージかな。
※ノーマルでもレース材質のパッドが装着されているR35
GT-Rは別として、他の多くの一般車輌がSpecom-αやSpecom-βのようなレース材質を一般公道で使用すると、ダストや鳴きが発生したり、ローターへの攻撃性が高くなる場合がございますことを予めご了承ください。